石鎚酒造株式会社で麹造りを仕切る若き職人「越智 稔」さん。32歳!!(私の2つ上の先輩です!!)
今年頂いた年賀状を加工しました(^^; 勝手に使ってすみませんm(__)m
稔さんと握手したんですが、寡黙で黙々と職人仕事をしている印象そのままの雰囲気の方でした。
分厚い手です。でっかい職人の手でした。
例によって長い蔵元訪問記になってしまいました・・・。
僕の辞書には簡潔という言葉は載っていません(TT

 2006年9月、愛媛県の西、肱川おろしという霧と、開閉式の赤い橋、美味しい魚で有名な伊予“長浜”に行ってきました。目的は、嫁の父方の実家にいるおばあちゃんに、曾孫の顔を見せたかったからなのですが、もう1つ!愛媛の美味しい地酒を勉強してくる事も大事な目的でした。
 坂本酒店では、昨年より、愛媛県西条市にある「石鎚酒造」さんのお酒を数アイテム取り扱っております。「石鎚」との出会いは、愛媛で酒屋を営む店長のお友達の紹介でした。その酒屋さんも取引を始めてすぐだったのですが、「坂本さん、凄く美味しいお酒がある」と、わざわざ「無濾過純米」を送ってくれたのでした。試飲してすぐ気にいった私達は、「見知らぬ店に大事に育てた酒を卸せない」という蔵元さんにレポートを提出して、無事お付き合いが始まりました。

 なんとも綺麗で、米の旨味が乗った、飲み飽きしない酒だと感じていました。

 Google Earthのkmlファイルがこちらにあります(Google Earthを御利用方、右クリック→「対象をファイルに保存」で、kmlファイルをダウンロードし、開いてみてください。拡張子が.xmlに自動的に変更してしまった場合は、お手数ですが.kmlに書き換えて下さい。3D表示してみると、大雑把に四国北部を西から東を望んでいますが、画面右側が山間部、画面左側が平野部になっています。このスパッと変わる地形は、中央構造線という超巨大な横ずれ断層の影響を色濃く受けています。石鎚酒造はちょうど山が切れて、山からの粗粒な堆積物が厚く堆積する扇状地の上に位置しています。西条市は水の都、なんと水道の8割が無料とか・・・。アサヒビールの工場があったり、精密機器の工場(綺麗な水を非常に大量に使う)がある街です。そんな綺麗な水がゴイゴイっと湧き出る素晴らしいロケーションで酒が造られています。見学させてもらった蔵から、50mほど離れた井戸から硬度100ちょいの中硬水(かな?)を仕込み水として使っているそうです。

 石鎚さんの姿勢ですごいな〜と思うのは、「この方法は非常に優れている」とか、「こういった工夫で経費が削減できた」的な、経験によって得た情報を、惜しみもなく同業者にも伝えるところです。とあるHPで愛媛のニューリーダー的存在と賞賛していましたが、(愛媛の他蔵を知らないので大きな声では言えませんが)専務の越智 浩さんは、日本酒業界の新世代のニューリーダーの1人だと思いました。「自分の蔵だけ良ければ、他の蔵なんて知らない」なんて“薄情な”蔵ではないです。熱いです。ホント熱いです。

石鎚「無濾過純米」槽しぼり
4合瓶:1,350円  1.8L瓶:2,670円

麹米・掛米:松山三井(精米60%)

 坂本酒店が初めて出合った石鎚のお酒がコレ。食中酒としてちょうど良いボリューム。でもちょこっとの肴に合わせてシミジミ飲める、酒だけでも満足のいく旨い酒。香りがとてもフルーティーです。

石鎚「純米吟醸 緑ラベル」槽しぼり
4合瓶:1,450円  1.8L瓶:2,890円
麹米:徳島県阿波町産 山田錦(精米50%)
掛米:松山三井(精米60%)

 瀬戸内の魚介類にあわせて、なんて幸せな組み合わせなんだろうと思いました。スーパー食中酒です。まるでメロンの様な、でしゃばらない上品なフルーツの香り、最初から最後まで引っかかりの無い、スムーズな飲み口。かといって軽いのではなく、深みのある辛口です。

石鎚「雄町純米」槽しぼり
4合瓶:1,490円  1.8L瓶:2,995円
使用米:備前雄町(精米55%)

 米の旨味を引き出すってのは、こ〜ゆ〜事ですよ。ふくらみと厚みのある旨味。燗にも冷にも適する懐の広いお酒です。地元飛騨高山では、雄町を使ったお酒には出会えないので、米に興味を持って購入されたお客様がリピーターになるお酒です。

石鎚「山田錦純米」槽しぼり
4合瓶:1,490円  1.8L瓶:2,995円
使用米:山田錦(精米60%)

 ドイツワインで言えば、貴腐菌の付いていない健全な葡萄だけ造ったような、完璧主義の職人が、スキなく綺麗に仕上げたな〜と、うなる逸品。存在感はビンビン感じるのに、綺麗に流れていく、上品で可憐な存在。こちらも緑ラベル同様、食事の中で光るお酒かなと。

準備中・・・ 石鎚「純米大吟醸」槽しぼり
4合瓶:1,890円
麹米:山田錦(精米40%)
掛米:松山三井(精米50%)

 細胞の一つ一つにしみこんでいく様な浸透感と透明感のある純米吟醸です。癒されます。
石鎚「純米大吟醸 石鎚正宗」槽しぼり
4合瓶:2,650円
麹米・麹米:山田錦(精米50%)

 とても綺麗な吟醸香。ドイツワインでたとえるなら、アウスレーゼ トロッケンか。
準備中・・・
準備中・・・ 石鎚「純米吟醸 備前雄町50%
     無濾過中汲み」槽しぼり

1.8L瓶:3,545円
使用米:備前雄町(精米50%)

 個人的に備前雄町が好きだと言う事もあり、年末年始に家族で開けるお酒に指定しております。しっかりとしたボディというと抽象的な表現になりますが、構成力のある味わいです。

 以下見学中に撮らせて頂いた写真にコメントです。こんなページを造る理由は、自分の勉強の為と、忘れない為です。その副産物として、興味を持って(飲みたいなーと思って)下さるお客様が増えたら嬉しいなと。
 蔵の横に、こざっぱりとした日本庭園を擁する茶室がありました。なんとも風流でした。御祖母様がお茶の先生だったとか。  専務の越智 浩さん。36歳。ラフな服装は、直前まで家族総出で瓶詰め作業をしていたから。「写真いいですか?もうちょっと笑顔で〜」とリクエストしたら、こんな笑顔頂きました。大変気さくで面白い優しい方です。
 専務の弟、稔さん(32歳)は製造部長で麹担当。許可を頂いて麹室に入れて頂きました。一言。「スキがない」。大変綺麗に整理整頓され、几帳面で職人肌の稔さんの性格を良く反映していました。道具とかピシッと並んでいます。この部屋の大きな台は「床麹法」の床でしょうか?この時は「切り返し」をすると雑菌が入る可能性があるからしないとか。  「うちは蓋麹はやりません。箱麹です。この箱は倍以上の大きさでしたが、使い辛いので自分達で半分に作り直して使っています。このタライは、タライ麹用です。いや、ホント良い麹造れます。他の蔵にもオススメしてます。ちゃんと実績ありです。」とのこと。ガチンコの実践主義です。麹作りの方法が複数あるのは、造る酒に合わせて変えているからだと思います。
 専務「浩」さん担当の、酒母を造る部屋です。この道具の名前は忘れてしまいましたが、相当古くから大事に使っているそうです。酒母の温度を上げたり下げたりするのに、お湯を入れたり冷水を入れたりして、タンクに突っ込むそうな。  酒母の部屋では袋吊りで酒を搾る作業もしています。搾り用の布は、精密機器を扱うクリーンルームに入る為の白衣のクリーニングを請け負っている会社で、洗剤を一切使わない特殊なクリーニングをしてもらっているそうです。非常に安く、良い洗い上がりだとか。
 この部屋のタンクで、初めて緑ラベルが醸されたそうです。窓がないので、窒息しないように大きな換気扇が付いていました。醪も専務の浩さんの担当。でかいタンクが大量に並んだ蔵もありましたが、あまり使ってないとか。  一瞬大学の研究室かと思うくらい、立派な設備がありました。専務の奥さんは、培養・分析のスペシャリストだそうです。酵母とか麹菌とか、全部ここで管理・培養しているから、業者から買っていないとのこと。
 冷凍している酵母を見せていただきました。品質が安定している秘訣です。購入した酵母は、同じ商品でも品質にばらつきがあるとの事。それどころか醸し中に良い発酵をしている酒母があると、少量凍結保存しておいて、良さそうだったら新たに培養すると言います。進化しています。  なんとガス クロマトグラフィーまで自前でできるとは・・・。香り成分を科学的に分析して、酒造りをしている最中は、常にチェックしているとの事。なので吟醸香を、カプロン酸エチルがどうとか説明してきます。勉強しなおしてもう一度お話を伺いに行きたいです。
 ほとんど使っていないヤブタを見せていただきました。専務は、ヤブタで搾った時に酒に付く独特の香りが嫌いで、ほとんど右の写真の槽(ふね)を使っています。  槽(ふね)と舟を掛けています(笑)社長の人柄が伝わってきます。石鎚酒造が、昔廻船問屋だった事を教えていただきました。坂本で扱っている石鎚のお酒はこれで搾られています。
 「タンクで貯蔵すると、隙間の空気で酸化するから嫌なんです。」と、なんと原酒のまま全て瓶貯蔵!!打栓したあとのキャップは、廃業した蔵からもらった物を代用!!石鎚には温度帯の違う複数の貯蔵庫があり、スキのない完璧な温度管理をしています。  日本酒業界が今後熱く復活する起爆剤になる事を願ってやまない機械です。今年の冬にリリースされる商品があります。越智さん!!うちにも卸して頂けますよね!!ねっねっ!!早く飲んでみたい!! 詳細を知りたい方、是非来店頂いて、石鎚買って下さい(笑)。

 お酒の味わいに関する情報提供が全然できていませんね。すみません。まだまだ青二才の私の、等身大の感想を恐る恐る言いますと、まず第一に、米の味わいの違い・特徴を旨く引き出して、お酒を造っています。雄町純米はふくらみがあってにぎやかな感じがするねとか。第二に、口に含む前から、含み中、飲み込んだ後まで、味と香りに引っかかる嫌な感じが全然無いんです。綺麗です。これは、使った道具は泡をたてて徹底的に洗わないと気がすまないというぐらい几帳面で綺麗好きな越智ファミリーの性格に由来していると思う訳ですが、クリーンです。第三に、飲み飽きしないです。食事をしながら杯が進む進む。蔵見学の後、夕食をご一緒させて頂いたのですが、3人で緑ラベルの4合瓶が瞬殺でした。瀬戸内の魚介類と緑ラベルの相性の素晴らしい事!!感激でした。山田錦純米も気がついたら空いていました。しかし今回、つくづく愛媛に足をのばして良かったと感激したのは、ドイツでも感じた新しい世代の力強い波を、肌で感じる事ができた点です。越智 浩専務、熱いです。お酒がすすんで色んな事話ました。色んな事話して下さいました。日本酒業界のこれからの事、お互い良い嫁さんもらったな〜って話(ないしょ)、子供を持つ親としての事、杜氏制を廃し家族で酒を造り始めた時の事。西条の夜に熱い話ができてホント嬉しかったです。ますます石鎚の酒が好きになって帰ってきました。

 お忙しいところ、長いお時間をさいて頂き、蔵の案内をして頂いた浩専務、本当ににありがとうございました。また、素敵な蔵を紹介してくださり、あっちこっち連れて行って下さった澤田様ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い致しますm(__)m







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